本記事ではこのような不安を解決できます。
本記事で分かること
- 知られていない日本政策金融公庫の融資面談の流れが分かる。
- 面談で注意したいことが分かる。
面談が一番の難所
日本政策金融公庫の融資申込が人生初の金融機関とのやり取りとなる方は多いと思います。
経験があるとしても、住宅ローンの申込みくらいでしょうか。
だからこそ、面談でしくじってしまわないか不安に感じますよね?
私は審査担当者として多くの融資審査を経験してきましたが、不安を感じたまま面談に臨まれる事業者がほとんどです。
中には緊張しすぎてか、面談時の受け答えがスムーズにできなかった事業者もいらっしゃいました…
ある程度緊張してたとしても上手く担当者に伝えられるかどうかは、どれだけ入念に事前準備をしてきたのかと直結しています。
ご自身で考え抜いて作成された書類ですので、その受け答えには自然と“想い”も乗り、審査担当者は「この人なら事業を軌道に乗せられそうだ。」という印象を持ちます。
面談前の準備で審査の結果がある程度定まってくると言っても過言ではありません。
この後に紹介している面談の流れや気をつけたいことを把握して、ベストな事前準備を進めていきましょう。
書類提出~面談前の流れ
書類提出後に担当者から電話
申込書類を提出してから約2日程度で日本政策金融公庫から電話が掛かってきます。
電話の内容は融資面談の日程調整です。
面談は1~1.5時間ほど掛かると計算して、都合が良いように調整を行いましょう。
また面談は原則支店で行われます。
日程が確定すると面談時に追加で提出してもらいたい書類を電話で伝えられ、後日郵送でも案内が届きます。
追加で提出する書類を準備
担当者からの電話から1~2日で書面が郵送で届きます。
中には面談の日時・場所・担当者名などが上部に記載されており、そして面談当日に持参してもらいたい書類が記載されています。
当日持参してもらいたい書類は申込人によって微妙に異なります。
ここではよく持参をお願いされる(僕自身依頼していたものも含めた)書類を挙げておきます。
申込書類で提出した創業計画書や企業概要書のように書類作成に時間が掛かるものは少なく、とにかく用意するものがほとんどです。
このなかだと「今後の事業の見通しの根拠となるもの」が一番準備に手間取るかもしれません。
BtoBの事業内容であれば、すでに受注が決まっている先、見積提示先、アプローチ先など、案件受注の確度と受注見込額を整理したリストを作成されるのが良いかと思います。
飲食業や理美容業のようなBtoCの事業内容だと、BtoBの場合のように資料を作ることが難しいので、周辺のライバル企業の有無、ターゲット層、コンセプト、価格帯などを調査してまとめておくことはしておくと良いです。
周辺のライバルとの比較は「あなたの事業が本当に軌道に乗ることができるのか?」を検討する一つの切り口になります。開業にあたって多かれ少なかれ分析は行うのではないでしょうか?
このほかご自身が出店する立地や人通り、外から見た店舗の様子などもまとめておくと、担当者はどのような場所で開業するのかをイメージしやすくなります。
面談の流れ
無事に依頼された書類は準備できましたか?
いよいよ面談の日となりました。
このメディアをご覧頂いたのならばできる限りの準備はしてきたはずです。
適度な緊張感をもって臨みましょう。
ここからは、1~1.5時間ほど要する面談の流れを把握していきましょう。
あくまで基本形となります。この流れ通りとならないこともありますので、ご了承ください。
アイスブレイク
窓口の職員に融資の面談で来たことを伝えると、面談ブースへ案内されます。
そこで少し待っていると担当者が入ってきます。
名刺交換を簡単に終えたところで、審査とは関係がない雑談が行われます。
担当者の雰囲気を掴むためにも、この後のやり取りをスムーズにするためにも、リラックスする時間にしましょう。
追加書類の確認
雑談がひと段落すると、事前に持参を依頼されていた書類を提出するように言われます。
事前に郵送されていた追加書類の一覧を参考に、順に書類を担当者に提出しましょう。
本人確認書類や預金通帳などの原本のコピーを取るために、担当者が一度席を外します。
少しの時間ですが、これからご紹介することを思い返して頭の中を整理しておきましょう。
借入申込書の確認
提出した書類のコピーが終わり担当者が戻ってきたところで、これから面談がスタートします。
まずは事前に提出された借入申込書に記載された内容の確認から始まるかと思います。
(※担当者によっては最初に持ってこない場合もあります。)
どこを確認するかというと、申込金額や返済期間、据置期間を確認されます。
確認から派生して「この金額もしくはこの返済期間や据置期間を希望する根拠はなぜですか?」と話が広がることもあります。
準備してきたものが出せるように頭の中を整理しておきましょう。
そのほかは住所や家族構成の確認となります。ここは少し雑談に逸れることがありますが、気にせず受け答えしていきましょう。
創業計画書・企業概要書
借入申込書の確認を終えたところで、いよいよポイントになる創業計画書や企業概要書について質問されます。
質問の内容は、あなたが作成される創業計画書・企業概要書や担当者によって変わりますので、「質問されるのはこれです!」と伝えることはできません。
決算書
決算書を事前に提出した場合は当然ですが決算書の内容についても聞かれます。
担当者が決算書のどこを見ているのかというと、大きく金額が動いているところをチェックされています。
2期分の決算書を提出しているならば、その2期を比較して大きく動いたところをザックリ把握してその理由について聞かれます。
国民生活事業が対象としているのは中小企業や個人個人事業主などの小規模事業者ですので、これくらいの事業規模であれば決算内容も代表者がすべて把握しておくべきだと、担当者は考えています。
面談の場でスムーズに答えるためにも、そもそもご自身の事業内容を数字でしっかり把握しておくためにも、準備しておくことをオススメします。
実施調査の日程調整
担当者が面談で確認したいことを一通り把握することができましたら、初めて日本政策金融公庫へ申込した場合は最後に実地調査をするための日程調整を行います。(※後日に日程調整することもあります。)
冒頭でも紹介しましたが、初めての申込なので担当者はあなたのことを基本的に信用していません。
実地調査を行う目的は、まだ信じてよいのか分からないあなたが「そもそも本当に事業をしているのか?」「これから本当に創業するつもりなのか?」を確認するためです。
すでに事業を営んでいる場合はあなたも同席して事務所を案内する必要がありますが、これから創業する場合は物件を借りる前の開業予定地を確認するので、特に同席する必要はありません。
創業融資で申込している場合は、ここは気にしなくて大丈夫です。
面談後も気を抜かずに
1~1.5時間に及ぶ面談、おつかれさまでした!
おそらく「思ったよりも短かった」と感じたのではないでしょうか?
面談でヒアリングしたことも踏まえて、担当者は融資審査を進めていきます。
面談が終わって安堵感が押し寄せてくるかもしれませんが、まだ審査は終わっていません。
基本的にはこのまま審査の結論が出ることはなく、少なくとも1回は追加資料の依頼or電話で追加ヒアリングがあると思っておきましょう。
このようなお願いがあった際にスムーズに対応できるように、仕事をしている中でも融資を申込んでいることを頭の片隅に置いておきましょう。
面談をしてから繁忙期だと1ヶ月ほど掛かることもありますが、およそ1~2週間で審査の結果が電話にて通知されます。
みごと融資が通過しましたら、最後に契約の手続きが残っています。
ここは不備があると融資金の送金が後ろ倒しとなってしまいますので、気を抜かずに手続きを進めていきましょう。
契約手続きの流れや気をつけたいことはこちらで紹介しています。
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